~ Caring for a diverse Japan ~

Transnational Midwives of Japan(とらみど助産師コミュニティ)とは

日本に住んでいる外国の方へのケアを積極的にできる助産師を日本全国に増やしたい!との想いで立ち上げた助産師コミュニティです。

Transnational Midwives of Japan is a community of Japanese midwives who are committed to actively supporting non-Japanese people living in Japan.

とらみどの想い

Transnational Midwives of Japan 代表
助産師 ブラウン美由紀

私の夫はイギリス人です。夫と一緒に歩いていると、必ずと言っていい程に視線を感じます。悪気のないものであっても、普通に生活していく中で常に好奇の視線を感じるというのは、正直心地良くはなく。
私も夫も大人なのでスルーすることができるけれど、私たちの子どもは、日本で生まれて、日本人として保育園や学校へ通い、日本人として生活しているのに、英語で話しかけられたり、父親の国籍を聞かれたり、「ハーフ」と言われたりします。それも、しょっちゅうです。
もし自分が子どもの頃に、常に視線を感じて「あなたは日本人じゃない」と知らない人から言われ続けていたらと思うと、生きにくさこの上なかっただろうと想像に難くないと思うのは、きっと私だけではないのではないでしょうか?
今日、いろんなルーツを持つ子どもたちが増えてきています。そんな子どもたちが、不要な不快感や生きにくさを抱かずに済む社会を作りたい!というのが、根底にある想いです。

「日本の助産師はベッドサイドに行かないよね」と言われた衝撃

ある外国の方に実際に言われた言葉です。頭をガツンと殴られたような衝撃を覚えました。
私の知る助産師さんたちは皆優しく妊産婦さんに真摯に向き合っているのに、と悔しかった。でもこう思われるほどに、日本人の助産師が外国人妊産婦さんのベッドサイドに行けていない、という現実だと思います。
もちろん英語はコミュニケーションの一ツールとして便利だけど、言葉を使わなくてもできるコミュニケーションはあるはずだし、何より【コミュニケーションを取りたいと思う気持ち】【あなたのことを気にかけているよ、という気持ち】は、言葉を使わずとも伝えることができるものだと信じています。そしてそういう気持ちを伝えることで救われる外国の方はきっと沢山いらっしゃるはず。
少し工夫すれば伝えられる、と自信を持てる助産師さんが全国に増えれば、それだけ救われる方が増えるはず!…と単純かもしれませんが思ったのが、2つ目の理由です。

外国で出産する時に感じる不安

自国での出産であっても、妊娠出産育児に不安はつきもの。言葉も文化も違う他国だったら尚更だと思います。そんな時に、「英語ができないから」という理由で避けられると、その患者さんは不安も表出できないし助けも得られない…。
臨床で出逢ってきた日本語をお話しされない外国の方々は、皆パワフルに見えました。一人で上手に授乳を始め、分泌も良く、サクッとこなせているように見える。だから助産師側も「あぁ、上手くできているね」とさらっと接するのみになりがちだったなぁと思います。
でも今思うと、彼女らは「そうせざるを得なかった」のかもしれない。
だとすると、私たち助産師が【寄り添わなかった】ことって、彼女らの記憶にずっと残ってしまうのかもしれません。
助産師は、知識を持って寄り添える。この「寄り添い」を、多くの外国の方々にもぜひ届けたいと思ったのが、コミュニティを作ったもう一つの理由です。一人残らず大切に扱われて、温かい気持ちで出産育児に臨んでもらえたらなぁと心から思っています。


名称Transnational Midwives of Japan ~Caring for a diverse Japan~
活動内容・月1回のオンライン勉強会(支援者向け)
・クローズドFacebookグループ内での情報共有やディスカッション
・外国の方への支援に繋がる情報発信 など
参加条件日本に住む外国の方への産前産後ケアや異文化コミュニケーションに興味のある助産師、助産師学生、看護師、この分野に関わる方であればどなたでも
参加費無料
発足日2021年3月8日


コミュニティへの参加ご希望の方はこちら
(簡単な自己紹介等のご入力をお願いしています)



月1勉強会


毎月1回、オンラインにてメンバーさん限定の勉強会を開催しています。
毎月日本全国から、病院やクリニック、地域等さまざまな現場で勤務されている助産師さんが集まり、意見交換も活発です。^^
無料ですのでぜひどうぞ。詳細はコミュニティ参加者限定のFacebookグループ内でお知らせしています。

次回の勉強会

11月21日(金)21:00~22:00


助成金を申請し、採択されました!これから日本に住む外国人の方々対象に、オンラインでの助産師相談事業を進めます。

進捗状況や、オンライン相談時に気をつけることなど、シェア&皆で考えましょう!


詳細はこちら ➡ とらみど助産師コミュニティ

過去の月1勉強会

第47回(2025.10)AIと外国人妊産婦さんへの支援
第46回(2025.6) 妊娠期、分娩期、産後などそれぞれの時期に使用可能なツール
第45回(2025.5) 外国人妊産婦さんへの栄養指導と退院指導
第44回(2025.4) 国による文化と国民性の違いについて
第43回(2025.3) 外国人妊産婦さんへのメンタルケア
第42回(2025.2) それぞれの職場でのケースや困りごと、工夫していること
第41回(2025.1) 外国人からよく受ける質問と私たちに必要な知識
第40回(2024.12) 行政、病院、地域での外国人支援の実際と不足しているシステムを考える
第39回(2024.11) 外国人対応の基本を振り返る
第38回(2024.10) 外国人対応のそれぞれの実際
第37回(2024.9) 海外での性教育、日本に住む外国の子どもたちへの性教育の際に注意すること
第36回(2024.7) 参加者同士での事例検討と振り返り
第35回(2024.6) イスラム教徒の方々の考え方と妊産婦さんへの支援について
第34回(2024.5) 外国の方へのケアの実際
第33回(2024.5) 英語での対応について
第32回(2024.3) フリーディスカッション
第31回(2024.2) 医学的な標準内容と相手の希望が食い違う時の対応
第30回(2024.1) 病院や行政窓口等での翻訳ツールとその活用方法
第29回(2023.11) 多言語母子手帳の活用について
第28回(2023.10) インタビュー調査の結果について
第27回(2023.9) 日本語を話されない方への情報提供について、科研費をいただく研究への協力予定について
第26回(2023.7) メンタルのサポートが必要な外国人母親への説明(搾乳・母乳についてなど)
第25回(2023.6) バースレビューについて
第24回(2023.5) 沐浴指導について
第23回(2023.4) 無痛分娩の説明について
第22回(2023.3) TOLACの説明について
第21回(2023.1) 地域にいる外国人の妊産婦さんや子育て中の方と助産師、保健師とがどうしたら繋がれるのか
第20回(2022.12) 外国人パートナーの立ち合いについて
第19回(2022.11) マイクロアグレッションについて
第18回(2022.10) 外国の方のバースプランへの対応、確認方法について
第17回(2022.9) 外国の方への電話対応、事前に準備できること
第16回(2022.7) 流産やIUFDと診断された外国の方へのケア
第15回(2022.6) 緊急帝王切開の説明内容と実践(やさしい日本語、やさしい英語)
第14回(2022.5) 緊急帝王切開時のコミュニケーション、妊娠中からの関わり方
第13回(2022.4) 地域での外国の方への対応、コミュニケーションでの困難な点や工夫
第12回(2022.3) モデル事業発表の報告とシェア、各勤務先での外国の方への対応での工夫や問題点などディスカッション
第11回(2022.2) 双子ちゃんママ(パパ)へ退院前に伝えること(やさしい日本語、やさしい英語)
第10回(2022.1) 退院時チェックリスト支援者向け説明文書の内容について
第9回(2021.12) やさしい日本語のコツ、研修報告、モデル事業の進捗状況について
第8回(2021.11) やさしい日本語のポイント、チェックリストをやさしい日本語に変換してみよう
第7回(2021.10) 退院時チェックリストに入れる項目についてディスカッション
第6回(2021.9)  モデル事業による研修(外国人妊産婦へ助産師ができること、
          日本で出産する外国人妊産婦の気持ち~フィリピンの出産事情とともに~)
第5回(2021.8)  モデル事業の内容、ワクチン接種時の外国の方への対応
第4回(2021.7)  コミュニケーションについていろいろなディスカッション
第3回(2021.6)  授乳量が足りているかの見極め方の説明
第2回(2021.5)  オーストラリア出身の方に話を聞いてみよう!
第1回(2021.4)  来院(来所)時の聞き取り、出産時(発露手前)の言い換えワーク
         (やさしい日本語、やさしい英語でどう伝えるか?)

作成物

かながわ国際交流財団と協働して「外国の方と助産師が退院前に確認すること」チェックリストを作成しました。
こちらからご覧いただけます。
渡して終わりではなく、これをきっかけにコミュニケーションに繋げていただけたら、という願いも込めて作成しました。

病院勤務の方だけでなく、地域で訪問業務をされる方にもご利用いただける内容です。
ぜひダウンロードしてご活用ください。

外国の方と助産師が退院前に確認すること

過去の活動

2021.3.8 コミュニティ発足!
2021.3   オンラインイベント【外国人患者さんにあなたのケアを届けよう!~言葉の壁の正体を探る~】
2021.4-2022.3 かながわ国際交流財団 モデル事業 「外国の方と助産師が退院前に確認すること」チェックリスト作成
2021.11 長崎大学大学院 助産師学生さんへ講義
2022.3   かながわ国際交流財団『外国人住民母子保健・子育て支援フォーラム (母子手帳交付から始まる外国人支援~行政・病院・地域がつながるからできること~)』にて発表
2022.6    石川県助産師会 外国人母子支援研修会にて発表(谷本、ブラウン)
2022.10 名古屋大学大学院 助産師学生さんへ講義
2023.8  Japan Times の記事内へインタビュー掲載
       For foreign expecting mothers in Japan, a struggle over maternity norms  
2023.10 日本母性衛生学会にて発表『助産師による「外国の方向けの退院時チェックリスト」の効果的な使用方法に関する質的分析』
2023.11 看護師国際サミットにてスピーカーとして参加【医療者が作る医療アクセスの壁】について
       名古屋大学大学院 助産師学生さんへ講義
2023.12 川崎市麻生区役所にて 外国人対応研修(職員さん対象)
       外国の方対象 両親学級実施(川崎市麻生区より依頼)
2024.10 日本母性衛生学会にてポスター発表(研究協力者として)
2024.12 日総研 臨床助産ケア 記事掲載「日本語も英語も通じない外国人妊産婦・家族への対応能力アップ
     ~助産師のピアグループ「とらみど」の活動と退院時チェックリストを用いた取り組み~」